王 暁霞 王 暁霞
王 暁霞
Xiaoxia Wang営業本部 本社営業部
副社長
下崎 健太 下崎 健太
下崎 健太
Kenta Shimozaki営業本部 本社営業部
2014年入社
冷却技術は、食品によって本当に奥深い
  • 王:
  • 下崎くんは最近、どんな案件を担当してるんだっけ?
  • 下崎:
  • 今は和菓子を製造されているお客様からのご要望で、大福もちの冷却装置を提案しています。
  • 王:
  • ああ、そうでしたね。大福もちなら、チルド(凍結寸前の温度まで冷却すること)までは求められないでしょう。業種にもよるけれど、チルドだと、蒸気殺菌の仕様が厳しくなることもあるから。
  • 下崎:
  • でも、大福もちは周りに片栗粉が付いているので、機器の洗浄性が求められるんですよ。普段はお湯で洗浄するんですけど、片栗粉の場合はお湯で洗浄すると固まってしまうため、洗浄は水でやろうと。いま技術職のメンバーと試行錯誤しているところです。
  • 王:
  • 食品の冷凍・冷却は、奥が深いですよね。庫内の温度と食品の中心温度はまた違うから中心温度を下げようとすると表面が凍ってしまったり…。食品によっていろんな難しさがありますよね。
  • 「餃子の壁」を突破して流した熱い涙
    • 王:
    • 食品による難しさといえば、前に餃子の凍結で悩んでなかった?
    • 下崎:
    • 餃子の急速凍結装置ですね。あれは忘れられない案件です。 餃子のあんを包んでから凍結するんですけど、どうしても皮がひび割れてしまう。風量を調節して割れを防ごうとしたものの、狭いスペースに餃子をトレイごと積み重ねるので、思うように風が当たらない…。 お客様に約束していた条件をなかなか満たすことができなくて、相当悩みました。
    • 王:
    • そこへ野田社長の一声があったんですよね、確か。
    • 下崎:
    • そうです。野田社長が「トレイの穴を大きくすればいけるんじゃないか?」と。そこですぐ、近所の金属加工業者さんに相談して、社内の設計メンバーにもいろいろと工夫してもらった結果、お客様のご要望通りの餃子凍結装置が完成しました。 試運転でうまくいった時、自分でも気づかないうちに涙が流れてきたんですよ…。お客様も熱い方で、向こうから手を差し伸べてくださって、こう、がっちり握手を。
    • 王:
    • ドラマですね。お客様に喜んでいただくことが一番うれしいですよね。下崎くんもいい勉強になったんじゃない?
    • 下崎:
    • 本当に、あれは自分の予測が甘かったせいなんです。そこを社長をはじめ、社内のみんながカバーしてくれて壁を突破できた。今も感謝しかありません。
    莫大な損失。でも、逃げなかった
    • 下崎:
    • 王さんは長年うちの会社にいらっしゃって、中国のグループ会社(富得食品工程技術(大連)有限公司)の責任者でもありますよね。もっとすごいエピソードがいっぱいあるんじゃ…?
    • 王:
    • 私は、1億5千万円の損失を出した経験があります。
    • 下崎:
    • ええっ!!
    • 王:
    • 中国から輸入した材料に問題があって、お客様との信頼関係をつぶすわけにはいかないから、すべてを日本製に取り替えることになったんです。その損失が1億5千万円。
    • 責任をとって辞めます、という言葉も頭をよぎりました。でも、それはただ自分がラクになりたい、この苦しみから解放されたいだけじゃないのかなって。本当に責任を取るというのは、どんなに辛くてもこの問題に対応し続けることだ、と思い直しました。
    • 王:
    • 中国から輸入した材料に問題があって、お客様との信頼関係をつぶすわけにはいかないから、すべてを日本製に取り替えることになったんです。その損失が1億5千万円。 責任をとって辞めます、という言葉も頭をよぎりました。でも、それはただ自分がラクになりたい、この苦しみから解放されたいだけじゃないのかなって。本当に責任を取るというのは、どんなに辛くてもこの問題に対応し続けることだ、と思い直しました。
    • 下崎:
    • その後、どうなったんですか…?
    • 王:
    • 野田社長、山田副社長と一緒に、お客様のところへ誠心誠意、謝りに行きました。ありがたいことに、そのお客様とは今も取引が続いています。私がこの失敗から学んだのは、何があっても逃げてはいけないということ。これは当社の経営方針でもあります。 そして莫大な損失を出してしまったけれど、今でも誰に責められることもなく、何かあればみんなで乗り越えていこうという会社の姿勢に深く感謝しています。
    社長の一言にいつも気づかされる
    • 下崎:
    • 挑戦する、失敗を恐れないという会社の姿勢は、そのまま社長のお人柄に当てはまりますよね。餃子の件で大きなヒントをくださったのも社長でした。 もちろんお叱りを受けることもあるんですが、それ以上にねぎらいの言葉もかけてくださる。この規模の会社で、社長と社員の距離がここまで近いというのはなかなかないと思います。
    • 王:
    • 本当にそうですね。私は大学時代からずっと日本にいる中国人ですけど、社長は誰に対しても一切の差別をしないで、平等にチャンスを与えてくださる人。何かに挑戦したいと思ったら、経費も気にしないでやらせてもらえます。 素晴らしい経営者であり、技術者でもある。経営者としての決断が早いから、私たちも仕事がやりやすい。技術の知識もすごくて、わからないことを聞いてもすぐに答えが返ってきます。
    • 下崎:
    • われわれ営業から見ても、お客様との交渉の相場観や、食品業界の動向、社会情勢、すべてに精通しておられると思います。 だから視点も多角的なんですよね。担当している案件の話をしていると、これは大丈夫なのか、あれはどうなっているんだと、社長からいろんな質問が。それによってトラブルを未然に防げたことも一度だけではありません。
    • 王:
    • でも、仕事熱心なのと同じくらい、楽しいことも大好きな人よね。
    • 下崎:
    • お祭り大好き(笑)。おかげで社内の雰囲気も明るいです。
    私が思う「ウチの強みはコレ!」
    • 下崎:
    • うちの会社が面白いのは、「フリーザーメーカーであってフリーザーメーカーではない」ところだと思うんですよ。冷凍庫や冷蔵庫だけじゃなく、製造工程の前後のラインまで納めたりするじゃないですか。
    • 王:
    • まさに、「これしかできません」より「ここまで全部まとめてできます」だよね。
  • 下崎:
  • たとえば、フリーザーは他社と同等のスペックでも、コンベアをうまく進める方法まで提案してご契約いただけたこともあります。そこが、他ならぬ当社の強みじゃないかなと。 時には建築にからむ工事もさせていただいたりするので、私も知識の幅が広がりますし、提案の幅も広がります。
  • 王:
  • あと、うちの会社の強みとして自信をもって言えるのはこれかな。テストルームやFTEアカデミーに揃えている実機を、お客様自身の目で確かめて、試して、納得していただけること。それから、素晴らしい技術者が揃っていることも自信があります。 今は社内に若い人が増えて、平均年齢は39歳。業界の中でも若い、元気な会社だと思います。営業部は常にうるさいけどね。あっ、にぎやか、か(笑)。
  • 海外にも広がっている当社の可能性
    • 下崎:
    • 中国市場にも精通していらっしゃる王さんとしては、当社の今後の可能性をどのように感じておられますか?
    • 王:
    • 中国では近年、冷蔵庫の普及にともなって冷凍・冷却へのニーズが高まっています。冷凍食品は中心温度がマイナス18度以下と定められているけど、中国ではそれがきちんと守られていないと思っている人が多く、そういう人々からの食品の品質への要求が厳しくなってきています。なので、中国市場にもまだまだ可能性は広がっていると私は思います。
    • 下崎:
    • 日本の企業が中国に進出すると、日本製のフリーザーを入れることが多いですよね。では、現地の中国企業はどうなんでしょうか。価格の面で厳しい…?
    • 王:
    • 確かに日本製のフリーザーは中国製より価格が高いけれど、品質もやっぱり高いんです。近い将来、中国でも食品に厳しい基準が取り入れられるはず。とくに日本の蒸気殺菌の技術は高く評価されているので、当社製品を採用してくださる中国企業も増えてきていますよ。 私の当面の目標は、こうした海外での売上も含め、グループ全体で200億円を達成することです。下崎くんのこれからの目標は?
    • 下崎:
    • 私は他部署を経験したあと、営業部に移って2年が経ち、ようやく営業のやりがいがわかってきたところです。今後はお客様から、「君に相談すると面白い答えが返ってくるね」と言われるようになりたいです。
    • 王:
    • 一緒に頑張りましょうね!!